君に言いたい言葉があった。
どうしても聞いてほしい言葉が。
でも、言いたい
Please let me say.
「そういうこと、あんまり簡単に言ってほしくない」
「可愛い」とか「綺麗だ」とかを繰り返していた僕に、パインが怒ったような口調でそう言った。
腕を組んでこっちを見ている彼女の口は引き結ばれている。目はいつも以上にクールに見えた。
怒っているというほど深刻でもないけれど、拗ねているわけでもなさそうな、そういう顔。
それでも尚笑っている僕に、一層鋭い視線を投げ掛けられて、少し真面目になることにした。
「どうして?」
たっぷり間を置いてから含み笑いで答えた。
その間に腕組みを解いた彼女はカップを手に取って一口飲むと、呆れたような口調で問いかえしてくる。
「どうしてって・・・恥ずかしくないのかよ」
「僕は全然」
ケロッと即答する僕を、パインはますます目を鋭くして一瞥した。
飄々としている僕の態度が気に入らないのか、また声を不機嫌にさせて、口を開く。
「私はそういうことを臆面もなく言ってほしくない」
「どうして?」
いつまでたっても堂々巡りのような押し問答に、パインが溜息をもらした。
それにまたにっこりと笑みで返すと、また鋭い目をされる。
肩を竦める仕草をした僕にもっと言いたいことがあるのか、しばらく考え込むような仕草をして、僕の目をじっと見てきた。
「何か別に理由があるの?」
先を促すように問いかけると、パインは観念したのか視線を前に戻した後、また真っ直ぐな目線を僕に向けた。
「怒るなよ」
「うん」
口を一度だけ開いてまた閉じたあと、パインはさっきより小さな声で言葉を紡ぐ。
「なんていうか、その、あんまり簡単に言われると軽く感じるんだ」
そんなことないってわかるけど、と最後の方は聞き取れないほど小さな声でそう言った。
いつの間にかさっき以上に真っ赤になっている顔が、なんとも言えないくらい可愛く思えてしまう。
絶対、僕は君に頭が上がらないような気がする。
「・・・つまり、本気かどうかわからなくなるってこと?」
真面目な顔になった僕に少しだけ弱気な表情になったパインの腕を、また引き寄せる。
傷つくな、と呟くとパインが何かを言いかけるようにして口を開いた。
それをかすめ取るような軽いキスで押しとどめて、それで黙ってしまった彼女のおでこにもう1度キスをして、
目線を合わせるように顔を下に向ける。
「僕は、思ってることは言っておきたいんだよ」
2年前の時から、と付け足すと、パインの肩がピクリと動いた。
それを見て腕を離し、先を続ける。
「2年前、バラバラになった時、なんでかわからないけど、すごく後悔した」
お互いに離した手は所在なさ気に空中で止まったまま。
困惑した表情のまま固まっているパインがおかしくて、顔を柔らかな表情に戻すと、また口を開いた。
「だって、2年前から僕は君のこと想ってたんだよ」
「なっ・・・」
サラッと発した言葉に反射的に身じろぐパインの手をまた掴んで、聞いて、と小さく言う。
「なのに僕はあの時は何も言えなかった」
自分の置かれている状況や境遇や、彼のせいにして。
全部を理由にして、自分の気持ちと向き合わなかった。
「結局は弱かったんだと今なら思うよ。だから、すごく後悔した」
「好きだ」と素直に言える時間を、あれだけ持て余してしまった。
この選抜試験が終われば何かが変わるかもしれないと、勝手な推測に頼って。
「だから言っておきたいんだ」
掴んでいた手をまた引っ張ってパインの肩を引き寄せた。
「好きだよ」
ほんの少し前まであんなに言うのを躊躇っていたセリフを、掠め取るような軽いキスを繰り返しながら囁ける。
在り来たりな文句を使うなら、僕は今『幸せ』だって言えると思う。
聞いて欲しい言葉があった。
君が怒って照れようが、真っ赤になろうが、言いたい言葉が。
先日、ちぇりぃさまのサイトさまで12345のキリ番を踏んで、無理矢理っぽくリクしてしまった話…(すみません…)
リクは「バラパイで甘甘」としたのですが、本当に素敵…vv
リクしてよかったvとひたすら思うばかりです。
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